特集
在学生・卒業生の声
大学で身につけた「力」が日々の看護の活力源です
横浜市立みなと赤十字病院勤務 看護学部2014年卒業 井田 亮さん
卒業後に勤務した横浜市立みなと赤十字病院は、“ 断らない救急医療”を24 時間365 日体制で実践する病院で、私は精神科病棟に勤務して4 年目となります。精神科看護に興味を持つきっかけとなった大学3 年のときの精神保健看護学実習では、統合失調症の患者さんと良好な関係が築けず悩んだことがありました。しかし、実習のお陰で人の心の動きの複雑さを知り、心の問題を抱えた人と「関係を築く力」を活かして、支えられるような看護師になりたいと思うようになりました。そのために日々試行錯誤しています。
私の目指す看護では、家族支援もとても重視しています。精神疾患の場合、患者さんの家族にも精神疾患が見られることが少なくありません。そのような家族にどのように接するか、退院後の生活まで見据えてフォローするにはどうすればいいかなど、入院中の患者さん以外のことで情報収集することも多々あります。そのようなときには、学生時代に身につけた「実践する力」が大いに役立ちます。また、精神科だからこそ倫理的な課題も多く、患者さんと接するときの態度や言葉使い、権利をしっかりと尊重する「擁護する力」にも常に気を配っています。
もちろん、患者さんと家族のケアをするのは看護師だけではありません。医師、ケースワーカー、薬剤師、保健師など、多職種での「連携する力」の重要性を実感することも多々あります。最近では、病棟全体で看護の質を高める改善活動を行っています。この活動では、「探求する力」により、課題を見つけて、改善し、病棟全体に広げていくことになります。
このように大学時代に学んださまざまな「力」を組み合わせて、現在は精神科病棟で働いていますが、「成長する力」をより強めるため、来年度の大学院進学を目指しています。研究を通して、今の精神科看護が抱えるさまざまな課題に取り組み、より多くの患者さんに還元できるよう、さらに一歩を踏み出そうとしているところです。