特集
在学生・卒業生の声
患者さんを尊重し、信頼関係を築いています
日赤赤十字社医療センター勤務 看護学部2015年卒業 河村 亮さん
病と闘っている人の支援をしたいと考え、看護師を志望しました。現在は、脳外科病棟で主に脳卒中の急性期から慢性期、ターミナル期までの看護を行っています。
学生時代にもっとも培われたのは、「関係を築く力」です。グループワーク形式の授業が多く、さまざまな性格や考え方をもった同級生と一緒に課題を解決しました。印象深いのが実習です。同じ病棟で実習するメンバーと、疾患について調べたり患者さんに渡すパンフレットを制作したりしました。私は、初対面の人とかかわることに苦手意識を持っていましたが、入職後抵抗がなくなったのは、これらの経験があったからだと思います。
仕事でも「関係を築く力」が生きています。担当している患者さんは、脳血管疾患によって人格が変わっていたり、認知機能に障害が出ていたりすることがありますが、患者さん一人ひとりを尊重し、対等な関係を築くよう心がけています。学生時代にも「人としての尊厳」を守る大切さを教え込まれました。またターミナル期にはご家族へのケアも重要です。お話を聞くことに徹して、信頼していただけるよう努力しています。さらに、医師やリハビリ専門職、薬剤師、栄養士などのチームにおいて、看護師はコーディネーターとして各専門職をつなぐ必要があり「連携する力」も欠かせません。
私はこの2年間、感染リーダーとして病棟の感染管理に取り組み、エビデンスをもとに管理法の標準化に注力しました。リーダーになるのは初めてでしたが、成長を実感しました。次年度からは新人教育のリーダーとなることが決まっています。これまで知識を吸収する側でしたが、経験を積むにつれて人を教える立場になっています。そのためにはさらに勉強が必要ですし、知識欲も出てきました。これらは「探求する力」「成長する力」の賜物です。そして臨床経験を活かし、将来は保健師という新しい分野に挑戦することも考えています。「変化を生み出す力」を発揮して、仕事の幅を広げていきたいと思っています。