特集

在学生・卒業生の声

習得した「力」で患者さんに寄り添い支援しています

大森赤十字病院勤務 看護学部2017年卒業 高橋 明希さん

 勤務する大森赤十字病院は、大学時代に実習に行った病院です。「信頼され心あたたまる病院」という基本理念のとおり、職員と患者さんの距離が近く、温かい雰囲気に惹かれました。現在は脳神経外科・神経内科病棟で働いています。脳卒中などの患者さんが集中治療室から移る急性期病棟で、基本的には2週間ほどで退院あるいは転院することになるため、病態の観察や治療援助に加えて、退院支援も重要な業務です。患者さんやご家族の意向を担当医に伝えたり、自宅で生活ができるかを考えたりと、その先の生活を見据えた支援をする必要があるのです。

 看護師になって3年が過ぎた今、改めて感じるのは信頼関係の大切さです。患者さんやご家族の考え方はさまざまですし、チームで担当している各専門職の考え方が違うこともあります。葛藤することもありますが、その方にとって何が一番いいのか、担当医や理学療法士などのリハビリ専門職、医療連携室、ソーシャルワーカーなどと密にコミュニケーションを取りながら、多様な選択肢を示したいと思っています。その際、生きているのは本学で習得した「関係を築く力」や「連携する力」です。そして患者さんと一番近い距離にいる看護師として、気持ちを表現しやすい関係を築き、相手の立場に立って寄り添うのは「擁護する力」でもあります。

 患者さんにとってよりよい答えを導くには、広い視野と多様な視点をもつことも大切です。看護師が見ている姿は、その方のほんの一部にしかすぎません。患者さんのこれからの人生を考えると、家庭や職場、地域など社会の中での存在としてとらえなければなりません。本学では、「社会学」など外部の先生による授業もあり、多角的なものの見方を養うことができたと思います。さらに日進月歩の医学現場では、「成長する力」「探求する力」は欠かせません。関心のある救急救命の分野を深く学びたい、そして自分の力をもっと発揮したいと、大学院進学も視野に入れながら切磋琢磨する毎日です。