学部生
在学生・卒業生の声
スウェーデン赤十字大学交換留学を終えて
交換留学レポート
今回、私たちはスウェーデン赤十字大学に5週間留学す機会を得ました。現地ではfield study in culture and healthという授業を履修し、2 日間の講義、10 日間の病棟におけるエスノグラフィー、英語でのプレゼンテーションとレポート提出を行いました。
エスノグラフィーは小児精神病院と母子ケアセンターにてそれぞれ行いました。
デイケアユニット・病棟・救急病棟においてケアを観察し、参加させていただきました。そこでは、20 年前に脱施設化を行ったスウェーデンにおける精神科の現状を学ぶ大変良い機会となりました。病棟にいては男女や職業の差別のない平等な労働環境が印象的でした。一方で患者は病棟に携帯を持ち込むことができたり、両親が同室で滞在できたりと、日本の小児精神病棟との相違点を多く学びました。患者を社会から隔離せず、地域や家族の元へ帰ることを見据えた看護を学ぶことができました。
母子ケアセンターにて、実習をさせていただき、1番印象に残ったのは、環境の違いです。
母子ケアセンターでは、ソファーやカーテン、間接照明などが洗練されており、助産師も制服を着るのではなく、私服を着ています。お母さんたちにとっても、そして医療職者にとっても心地の良い、リラックスできる環境が作られていると思いました。また、社会保障制度が充実しているため、医療職者は4 週間におよぶ休暇を取ることができます。社会の制度も医療職者にとって働きやすい環境をもたらしていると思いました。ひいては、それが患者の医療サービスの充実につながっていると思いました。改めて、周囲を取り巻く環境を整えることの大切さを学びました。
カリキュラム以外にも、スウェーデンの看護学生のみならずフランス、スペインからの留学生とも交流を深めました。学生同士で自国の伝統料理を持ち寄るポットラックパーティを開催し、異文化の中で医療や文化など様々な話題を同世代と語り明かしたことはとても良い思い出です。英語でコミュニケーションをとることで異文化を知り、同時に日本の看護を客観的に見つめ直す機会になりました。特にスウェーデンの看護学生は英語のレベルが非常に高く、大変良い刺激となりました。今後は看護だけでなく英語もさらに深く学び、様々な国の人たちと交流するツールを磨くという目標ができました。現地でできた友人は一生の宝物です。
今回の交換留学で得た異文化体験と知識、かけがえのない友人たちと過ごした時間と経験を糧に、看護の舞台で邁進し世界に羽ばたこうと思います。入学当初からの夢であった交換留学を沢山の方々の力を借りて実現できたことに、心から感謝申し上げます。