おたよりリレー 伊藤 麻紀さん(修士課程24回生)

伊藤 麻紀さん(修士課程24回生)

日本赤十字社医療センター 看護部
看護部 看護師

大学院30周年に寄せて

 日本赤十字看護大学大学院開設30周年、おめでとうございます。
 私は、認定看護師を10年以上経験したのちに大学院へ進学しました。同じ領域の同期は全員が認定看護師で、非常に学びやすい環境で2年間過ごすことができました。講義やゼミだけでなく、他の領域に在籍する院生とともに理論や事例において「すとん」と心の中で音がするまでとことん議論した時間は非常に有意義でした。また、大学院生全員が同じ院生室を使用しているため、多くの院生と意見交換でき、視野が広がりさらに学びが深める環境でした。
 在学中は勤務も継続していました。大学院で学んだことが臨床現場で目の前に現れることが多く、自分の視野や思考が変わって学んでいる変化のプロセスを経験することができました。決して両立は楽ではありませんでしたが、そのつらさがあったからこそ、今、新しいことや必要な変化にチャレンジすることができ、環境から変化させていく楽しさを毎日実感しています。
 修了後、専門看護師を取得し1回目の更新をした現在は、臨床倫理委員会や慢性看護外来、創傷ケア外来等で疾病や障がい、創傷をもちながら生活する人々に早期に関わり、疾病受容や老いとともに生きることの変化、慢性疾患の終末期の難しさを実感しています。また、特定行為も修了し、病いの経験を患者から学びながら患者によりよいケアを届けることを忘れずに看護実践を行っています。理論通りにはいかず悩むことも多いですが、それが臨床にいる面白さであると思います。近くに大学があるため、大学の先生方からも折に触れて学ぶ機会をいただき、研究なども相談できるサポートもいただけています。看護職の生涯教育がうたわれる昨今ですが、母校からの刺激は患者へのケアを充実させ、再び学びたくなるサイクルを回し続けることにつながっています。

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