おたよりリレー 綾田 美紗姫さん(修士課程21回生)

綾田 美紗姫さん(修士課程21回生)

国立がん研究センター
特任研究補助員

 日本赤十字看護大学大学院開設30周年おめでとうございます。
 現在、フリーランスナース(コエノト)として活動し、日々いろんな看護の現場に身を起き、様々な患者さん、利用者さん、現場の方々の語りを集め回っています。
 私の研究者として道のはじまりこそが本学でした。進学に至るまでも少し変わったキャリアを積んでいました。臨床に疲れ、看護に疲れ、それでも嫌いにもなれず。コンサルタントという立場で医療の現場を俯瞰しながら、いつのまにか看護を熱く語っていたりする。「今改めて看護と向き合いたい」と思う日々でした。親友の進学を契機に、「看護倫理」を研究したく当時の学長でいらっしゃった高田早苗先生に師事しました。
 修士の2年間は、本当に大変でしたが充実した日々でした。
 当時、図書担当をされていた谷津裕子先生のもと、TBC活動(図書館ビューティクラブ)を立ち上げ大いに盛り上がり、バイトを入れすぎてゼミの日程がきめられなかったり、授業を取りすぎてゼミの用意が間に合わなかったり……「あなた!何しにここに来たの!」と、高田先生になんど呆れられ怒られたことか……本当に充実した日々でした(笑)
 吐きそうになるほど読み、白髪が増えるほど考え、人生最大の貧血(Hb5.6)になるほど心を遣い、いっぱい書いていっぱい修正して、ただ「探究」だけに没頭できたその2年間の、なんと豊潤な時間だったのだろうと、心からそう思います。
 未熟でいたらないことばかりの私を、静かに穏やかに温かく導いてくださった川原由佳里先生が、修士の時間を振り返って表現した「豊潤の時」は、先生がお好きなワインのように、まさに時間を経るごとにその意味が際立ってきたように感じています。
 未だ道半ばですが、その始まりを多くの良き師に恵まれ、充実した図書館と個性的な仲間とともに過ごせたこと、本当に心より感謝しております。
 今後も母校の益々のご発展を祈念しております。

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