おたよりリレー 中島 千春さん(修士課程18回生)
中島 千春さん(修士課程18回生)
聖路加国際病院
看護師長 急性・重症患者看護専門看護師
大学院30周年に寄せて
日本赤十字看護大学大学院開設30周年おめでとうございます。
私が、在籍したのは開設30年のうちの2年間でしたが、その修士課程2年間は、臨床からいったん離れ、看護を学び直すことへの楽しさを日々感じ、とても充実した毎日でした。多領域の学生と授業の課題について話し合い、議論し、臨床経験や専攻分野が違う仲間とのこうした関わりは、違う観点からの思考を学ぶとても刺激的なものでした。修士論文作成に際しては、慢性看護学専攻の学生と急性看護学専攻の学生が一緒にゼミを行い、研究テーマ・研究目的・研究方法について学生主体でプレゼンテーションをし、先生方より丁寧な指導を受け、それをまた修正し、といったことを繰り返しました。修士論文作成は、“目的地の見えない砂漠を、一人歩いているような気持ち”にもなりましたが、自身の研究のテーマと収集したデータと向き合う時間は、なんとも言えないかけがえのない物だったと今も感じています。
文献を読み・考え、皆でディスカッションをし、プレゼンテーションのため要点をわかりやすくまとめ発表する。これは、臨床での現象を俯瞰的にみて、何が問題であり、どのような支援が必要か、それを皆でどう患者・家族へ関わっていくかという看護ケアを考ええる思考過程にとても役立っています。修士課程の2年間は、卒業してからの、私の臨床での看護の礎になりました。
日本赤十字看護大学大学院の今後ますますのご発展を祈念しております。