おたよりリレー 榊 由里さん(修士課程6回生)
榊 由里さん(修士課程6回生)
京都大学大学院 医学研究科
人間健康科学系専攻先端中核看護科学講座 准教授
恵まれた環境で看護を探究できるありがたさ
この度は日本赤十字看護大学大学院30周年、誠におめでとうございます。母校がこの節目を迎えられたこと、心よりうれしく思います。
私が入学した1998年当時はまだ古い校舎で、健康面とそして節約を兼ねて、渋谷駅から毎日歩いて通っていたことが、懐かしく思い出されます。諸先生方の貴重なご講義を受けアカデミックな雰囲気に感銘を受けながら、同期の友と、看護について熱く語り合った日々は、人生の中でもとても大切な時間でした。ちょうど1999年から2000年に移り変わるときに修士論文も佳境を迎えており、いわゆるコンピューター2000年問題で、せっかく集めた研究データが吹っ飛んでしまわないか、ドキドキしながら年を越したことも今ではいい思い出です。
修了後は、修士論文のテーマにもしていた救急看護に携わるべく、臨床の道へ進みました。臨床実践を積み重ねる中で、専門看護師の資格を取得し、無我夢中で日々の看護を実践してきたように思います。その中で、これから看護を担う後進の育成をしてみたいという気持ちが大きくなり、昨年から大学で教育に携わらせていただいています。臨床が大好きなので、臨床で活動しながら教育にも携わることができる現在の環境で、とても楽しく、さらに看護を探究する日々です。
在学生の皆さま、これから大学院進学を考えている皆さま、大学院では、「まだこんなに知らないことがあるんだ」「こんなに勉強しなければならないことがあるんだ」と、圧倒されることも多いかと思います。でもそれはとても贅沢で、自由で楽しいことだと思います。そして、日本赤十字看護大学大学院は、学生が自由に学べる場を提供してくれる、とてもすばらしい環境が整っていると思います。このような環境で学べたことを、私はとても誇りに思っております。是非この大切な時を楽しんでください。そして同じ看護師の仲間として、共に看護を探究していけたら、とてもうれしく思います。