武蔵野地域防災活動ネットワーク COSMOS
武蔵野地域防災活動ネットワーク COSMOS
身近な防災の知恵と技を獲得し、
一人ひとりが災害に強くなる人材を目指す
セミナーについて
防災に関するテーマを基盤に、グループワークやシミュレーションを導入し、参加型のセミナーを展開しています。
ダンボールを使った足湯
搬送方法を学んでいます
プロジェクトのねらいとメンバー
私達、武蔵野地域防災活動ネットワーク(通称 COSMOS(コスモス);Community’s Safety with Musashino Original Seminar)では、前身の日本赤十字武蔵野短期大学時代の2005年から継続的に市民参加型のセミナーを開催しています。COSMOSの活動の目的は、地域の人々と共に、「身近な防災の知恵と技を獲得し、一人ひとりが災害に強くなる人材を目指す」ことをねらいとしています。
通称のCOSMOSは、地域の安全について、武蔵野キャンパスでセミナーの開催を継続させてきた歴史と、これからも武蔵野を拠点に活動していくという思い、また雨や風に倒されても自分で起き上がり、しなやかに咲き続ける強さをもつコスモスの花に由来しています。
メンバーは、武蔵野市境南町の自主防災組織、地域企業社員、日本赤十字看護大学の教職員の有志および学生災害救護ボランティアサークルで企画運営しています。主な活動は、地域防災に関するセミナー開催ですが、それ以外にも被災地訪問、地域での防災訓練への参加などを行っています。セミナーでは、地域における防災活動について様々な視点から学んでいますが、地域住民、自主防災組織、行政、警察、消防、病院、大学がそれぞれの役割や能力を発揮してセミナーを盛り上げています。毎回、講義だけではなく、シミュレーションやグループワークを織り交ぜるよう工夫し、受講者同士が意見交換できるような場づくりを心がけています。
COSMOSの活動の中で大活躍しているのは、本学の学生災害救護ボランティアサークルSKVのメンバーです。学生達は、防災訓練やシミュレーション時の傷病者役として参加するだけではなく、COSMOSの運営会議に参加し、セミナーでは進行役をしたり、演習がスムーズに進むように受講者の中に入り、参加者の学びのサポート役を果たしています。学生達は、セミナーの企画・運営に参画し、受講者や被災地訪問などで様々な年齢層の地域住民と関り、またその経験を報告することを通して大きく成長しています。
プロジェクトの沿革と連携組織
2001年、前身の日本赤十字武蔵野短期大学時代、武蔵野赤十字病院の共同研究として、住民対象の防災意識調査を行ったことを契機に、また当時、本学を拠点とする地域防災活動における人材育成をテーマとする取り組みが特色GPに採択され、2004年結果分析から本学、病院、自主防災組織から構成された地域防災活動委員会を発足し、人材育成を中心に活動を継続してきました。
2008年、武蔵野市民防災協会と正式に協定し、補助金を頂くと共に、武蔵野市の地域防災活動推進委員の参加を受け入れております。また武蔵野市役所以外、図で示したように、自主防災組織の境南地域防災懇談会、武蔵野赤十字病院、武蔵野警察署、武蔵野消防署、傷病等各機関との連携協力を推進しています。
2010年、日本赤十字看護大学フロンティアセンター災害看護部門に位置づけられ現在に至っています。これまで3回東京消防庁武蔵野消防署から防災功労賞を受賞しました。2015年、武蔵野市と日本赤十字看護大学との地域包括連携協定に向け準備を進め、2016年1月をもって協定が締結され現在に至っています。
プロジェクトの実績
セミナー受講者は、年間400~600人を推移しています。学習したことを他者に伝える等、シミュレーションを導入した参加型プログラムの成果が実証されています。主な活動は年間10回開催する地域防災セミナーの企画運営、自主防災組織主催の防災訓練等への参加があります。
プロジェクトの今後の活動
今後は従来のプログラムの取り組みに加え、自主防災組織と連携し、災害発生時の1人暮らしの高齢者、高齢者世帯などの安否確認とともに搬送システムを構築する取り組みも課題にしていく所存です。また、本セミナーで習得した避難支援に関するスキルをもって、地域や学校また職場等での防災・減災に関する研修会や訓練等でその知識や技の普及に努め、災害発生時には地域組織のメンバーの一人として活動できる人材育成を目指し、認定制度の準備を進めています。
今まで行ったプログラムの実績をふまえ、2016年度より避難生活支援活動協力員養成講座を開始し、従来の2倍の参加者を集客しております。